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2025-03-31

社外活動レポート:「XG Ignite」における社会課題解決への挑戦と気づき

はじめに

こんにちは!ネットワーク・サーバ系エンジニアとして、日々インフラ環境の構築や運用に携わっているGUCCHIです。
今回は、私が社外活動として参画している「XG Ignite(エックスジー・イグナイト)」についてご紹介したいと思います。普段の業務とは一線を画す活動を通じて得た学びや気づきをみなさまと少しでも共有できれば幸いです。

「XG Ignite」とは?

「XG Ignite」は、総務省のBeyond 5G新経営戦略センターが展開する産業連携活動の一環です。「XG」(世代によらない情報通信・デジタル)に関し、「人」がエンジンとなって「発火」し続ける場、というコンセプトで活動を展開しています。

Beyond 5G(ビヨンド・ファイブジー)とは、5G(第5世代移動通信システム)の機能を高度化した次世代の移動通信システムのことを指し、6G(第6世代移動通信システム)とも呼ばれ、2030年頃からの実用化が期待されています。

Beyond 5Gがもたらす可能性

Beyond 5G時代には、「つながることが当たり前になる社会」が実現すると考えられています。これにより、あらゆるデバイスや人がリアルタイムで情報をやり取りし、よりシームレスな社会の実現が可能になります。
たとえば教育分野においては、IoTやAIを活用したデータ収集・分析が重要な役割を果たします。生徒一人ひとりの学習状況や関心をリアルタイムで把握し、適切な学習コンテンツを提供することで、個別最適化された教育が実現できます。また、リモート教育のさらなる発展により、地理的な制約を超えた学習機会の提供も期待されます。

「XG Ignite」の活動の目的とゴール ~共創による社会課題への挑戦~

「XG Ignite」の活動は、「リーダーズフォーラム」の卒業生有志を中心に構成されているのですが、多様な業界のメンバーが業界や企業の垣根を越えて集まり、Beyond 5G時代の社会課題に向き合い、課題解決に向けて取り組んでいます。実際にはいくつかのチームに分かれて、Beyond 5Gがもたらす新たな技術革新の中でどのような社会課題を解決できるのかを多角的に検討し、それぞれ活動テーマを決め、情報通信・デジタル分野とさまざまな産業をつなぐ架け橋として、知見・人脈を活かしながら社会への実装を推進しています。

活動の最終的なゴールは、アイデアを「構想」にとどめず、「実行」に移すこと。つまり、社会に役立つプロジェクトとして形にすることです。

参加のきっかけ

私がこの活動に参加することになった背景には、前年に参加した「リーダーズフォーラム」での出会いが大きく関わっています。

「リーダーズフォーラム」とは、「XG Ignite」と同じBeyond 5G新経営戦略センターによって行われている40代・30代向けの若手人材研修プログラムです。月1回各界のゲストスピーカーを迎えてBeyond 5G時代の日本の企業のあるべき姿や新たな経営戦略ビジョン等について議論し、提言を取りまとめるなど、こちらもいくつかのチームに分かれて約1年間ほど活動を行っていました。

その「リーダーズフォーラム」で出会い、共に活動に取り組んだ仲間たちとより実践的なフィールドでさらなる挑戦をしたいという想いが強くなり、Beyond 5Gという先進的なテーマで社会課題にアプローチできる機会に惹かれて「XG Ignite」への参加を決めました。

また、私は以前から通信やICTを活用して社会にどんな貢献ができるかに関心があったため、より実践的な場での活動を通じて自らのスキルや視点を広げたいと考えていたことも参加への後押しとなりました。実際に異なる業界の方々と共に活動に取り組む中で、自分の視野が広がり、新たな発見があることを日々実感しています。

チームでの取り組みと活動プロセス

私が所属しているチームは、通信キャリアやベンダー、旅行会社、コンサルタント、省庁など多様な業界から集まった40代を中心に構成されています。当初は「モビリティ」や「食農」といったテーマも検討しましたが、メンバーの多くが子育て世代ということもあり、教育分野への関心が高かったことから、最終的に「教育」を活動テーマとして選びました。

活動のプロセスとしては、以下のようなステップを踏みました:

  1. 課題の調査:
    教育分野における課題を洗い出し、優先順位を設定
  2. 対象の絞り込み:
    ターゲットを「中高生のキャリア教育」に絞り、具体的なニーズを調査
  3. 仮説の検討:
    通信技術を活用することで、中高生のキャリア教育にどのような価値を提供できるか仮説を立てる
  4. 解決策の検討:
    仮説に基づき、講演会やワークショップなど具体的なプログラム(プロジェクト)を企画
  5. 業界の調査:
    企画したプログラムについての競合や関連ステークホルダーを調査し、差別化ポイントを検討
  6. コミュニケーションツールを活用してこれらの議論を活発に行い、各メンバーが持つ専門知識を活かして意見交換を重ねました。また、定期的なミーティングを通じて進捗を確認しながら、具体的なプログラムを作成していきました。

    多様な業界のプロが語る!高校生のための「次世代キャリア講演会」

    このようにプロジェクトをつくっていく活動の中で、今回私たちのチームは高校1年生に向けた以下のプログラムを企画・提供しました。

    • プログラム名:「次世代キャリア講演会」
    • プログラム内容:
      • キャリア講演:
        さまざまな業界で働く社会人が、自身のキャリアや仕事のやりがいを紹介。質疑応答の時間も設けて生徒の不安や疑問に答えるなど、社会人の経験談や質疑応答を通じて、未来のキャリアについて考えるきっかけを提供しました。
      • ワークショップ:
        グループワークやディスカッションを通じて、生徒が自己分析やキャリアプランニングを実施するワークショップを開催。社会人メンターが生徒一人ひとりの個性や興味に合わせたアドバイスも提供しました。

    活動の成果

    講演後の生徒たちのリアクションとしては、
    「将来に対する漠然としたイメージと不安があったが、具体的に考えるきっかけになった」
    「社会で活躍する大人のリアルな話を聞けたことで、進路の選択肢が広がった」
    といった声が多く寄せられました。

    また、講演前後でアンケートを実施し、意識の変化を測定しました。
    その結果、

    ・将来のキャリアについて具体的に考えるようになった生徒の割合が増加
    ・ICTや通信技術の活用が社会にどのような影響を与えるか理解が深まった
    ・社会人との交流を通じて、新たな視点を得られた

    という声が多く集まり、ポジティブな変化が見られました。

    より多くの高校生へ!未来を届けるための課題と展望

    今回のプログラムはあくまで私たちのチームのみで企画・運営を行いましたが、今後はより多くの企業や団体と連携し、全国の中高生に向けたサービスを提供できるようなプラットフォームの構築を目指していきたいと考えています。

    そのための課題としては下記などが挙げられます。:

    ・社会人(企業側)と中高生をつなぐ仕組みの整備
    ・持続可能な運営モデルの構築
    ・地理的制約を超えた多様な地域での実現可能性の検討

    おわりに

    私はXG Igniteでの活動を通じて、業界・文化・視点・経験など自分とは異なるバックグラウンドを持つ人々と交流する中で多くを学び、視野が広がったと感じています。特に、社会課題に対する視点は業界によって異なり、その多様な視点が非常に刺激的だと感じました。
    一人ひとりが持つその「違い」が、チームに深みをもたらしていると感じています。

    また、中高生の未来に貢献する活動に携わることで、自分自身の仕事やキャリア観についても改めて考える機会になりました。ICTや通信技術が持つ可能性を改めて実感するとともに、社会実装に向けた課題を解決する難しさも実感しています。

    Beyond 5G時代に向けて、私たちがどのように社会に貢献できるのか、これからも試行錯誤しながら進んでいきたいと思います。今後も、より多くの人々と連携しながら、この取り組みを発展させていくことを楽しみにしています。

    ※「XG Ignite」の活動についてはBeyond 5G新経営戦略センターのサイトにて紹介されています。
     こちらをご覧ください。(※外部サイトに遷移します)

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